丹波篠山・SATORY’s CAFE(二階町17)に関する記事です。店舗情報・メニュー・よくある質問はこちら。
怖い話を書くつもりはありません。
ただ、今起きていることを少し整理してみたくて、このタイトルにしました。
2026年3月、中小企業基盤整備機構が『中小企業のAI等の利活用に係る実態調査』を公表しました。それによると、全国の中小企業のうち、すでに何らかのかたちでAIを導入していると答えた会社の割合は、20.4%。5社に1社にあたります。
2年前は、10%以下でした。倍以上になった、という事実があります。
(出典: 中小企業基盤整備機構「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」2026年3月公表 / 調査結果ポイントPDF)
「まだ8割の会社が使っていないなら、急がなくてもいいんじゃないか」
この感覚、わかります。少数派でいることの安心感というのは、ある。
ただ、もう少し細かく見ると、少し違う景色が見えてきます。
AIを「全社的に導入している」と答えた大企業の割合と、従業員が少ない中小企業のそれを比べると、約15倍の開きがあるという報告もあります。大企業は、もうかなりのスピードで使い込んでいる。それが、地方の中小企業との差になっていく可能性がある。
(参考: 日経クロステック 2026年2月「生成AI活用の『格差』深刻に、大企業と中小企業で15倍の違い」)
「じわじわ」というのは、こういうことを言っています。
一気に差がつくのではなく、毎日少しずつ積み上がっていく。気づいたときには、かなりの差になっている。
具体的に、どんなことが起きているか。少し考えてみます。
たとえば、見積書を作るのに3時間かかっている会社と、30分で作れるようになった会社があるとします。
月に10件の見積もりを出すとして、差は25時間。月に25時間。1年で300時間。
その300時間を、片方の会社は営業に使うことができる。お客様との関係を深めることに使える。新しい仕事を探すことに使える。
もう一方の会社は、引き続き見積書を作ることに使っている。
これが5年積み上がったとき、何が起きているか。
見積書を作ること自体は、どちらも変わらずやっています。でも、その周りに積み上がってきたものが、だいぶ違う。
もう一つ、別の角度の話をします。
採用と人材の話です。
これからの10年、地方の中小企業にとって「人を採用する」ことは、今よりずっと難しくなると言われています。若い人口が減り、都市部との競争も続く。
AIを使っている会社は、人数が増えなくても、できる仕事の量が増えていく可能性があります。AIを業務に組み込むことで、今いる人が今より多くのことを担えるようになるから。
AIを使っていない会社は、人が増えなければ仕事量が増えない。人が増えにくい状況で、それは難しい。
「AIで人が減らせる」という話ではなく、「今いる人が、もっと価値の高い仕事に時間を使える」という話です。
一方で、正直に書いておきたいことがあります。
AIを使えば、すぐに全てが解決するかというと、そういう話ではない。
AIを使い始めても、「うまくいった」「うまくいかなかった」の試行錯誤は必ずある。時間がかかることもある。思ったより成果が出ないこともある。
それは、どんな道具でも同じです。
ただ、「試行錯誤を始めた会社」と「まだ始めていない会社」のあいだには、その試行錯誤の時間の蓄積という差が生まれていく。
失敗を重ねながら、少しずつうまくなっていく。その積み上がりの時間が、長ければ長いほど、使いこなす力がつく。
このシリーズの第1話で、工務店の社長が「そういうもんだと思っていた」と言った話を書きました。
見積書に3時間かかることが、「そういうもん」だと思っていた。
その「そういうもん」が変わりうる、という話を5社に1社がすでに経験し始めています。
あなたの会社で「そういうもんだ」と思っている仕事は、何ですか。
怖い話ではなく、小さな問いとして持っていてほしい言葉です。
次の第4話では、少し先の未来を見てみます。5年後、AIを使った会社と使わなかった会社に何が起きているか——という話を、予測として書こうと思います。
あなたの会社に、じわじわと豊かな時間が増えていきますように。
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細見 勇人 / 兵庫県丹波篠山市にて

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