5年後の地方中小企業——AIを使った会社と使わなかった会社、何が違うのか

丹波篠山・SATORY’s CAFE(二階町17)に関する記事です。店舗情報メニューよくある質問はこちら。

未来の話をします。

ただ、予言ではありません。「こういう可能性がある」という話として読んでいただければと思います。

2031年、今から5年後。

AIを「もう使っている」会社と「まだ使っていない」会社の間に、何が起きているか。少し想像してみます。


まず、「使っている会社」の方から。

AIを業務に取り入れてから5年が経った会社は、最初の1年2年で試行錯誤を重ねています。「うまくいった」「うまくいかなかった」を繰り返しながら、自分たちの仕事のやり方に合った使い方が、じわじわとわかってきた。

見積書を作るプロンプト(AIへの指示文)は、何度も修正されて「うちの会社のやり方」になっている。お客様への返信メールのテンプレートは、100件以上の実績を経て磨かれている。新しいスタッフが入ってきたとき、「うちのAIの使い方」を教えるための資料が、すでにある。

これが「5年分の積み上がり」です。

仕組みとして動いている、という状態になっている。


「使っていない会社」の方は、どうでしょう。

2031年の時点で「そろそろ使おうか」と思っても、ゼロから始めることになります。

試行錯誤の1年目が始まる。プロンプトの書き方を覚える。失敗をする。少しずつ使えるようになっていく。

それ自体は悪いことではありません。始めれば、必ず前に進む。

ただ、もう一方の会社は「5年分の積み上がり」を持っているので、その差はある。

「差をつけられた」と思うかどうかより、「今から始めたら、どのくらいで追いつけるか」を考える方が建設的だと思いますが、差があることは事実として見ておいた方がいい。


もう少し具体的な話をします。

今から5年後、AIは今よりずっと「自分で動く」ようになると予測されています。

今のAIは、基本的に「聞いたことに答える」道具です。「この文章を書いて」と頼めば書いてくれる。「これを要約して」と頼めば要約してくれる。

それが5年後には、「こういう状況になったら、こういうことをしておいてくれ」という指示を事前に渡しておけば、AIが自分で判断して動くようになっていく可能性がある。これをAIエージェントと呼びます。

たとえば、「今週のお客様からの問い合わせを毎日チェックして、緊急性の高いものを僕に知らせて」という仕組みが、難しい技術なしに作れるようになる。

「そういう道具が使えるようになる」という話より、「その道具を使いこなすための慣れが5年分あるかどうか」の差が、2031年の時点では大きく出てくると思っています。


ここで、少し立ち止まって考えてみてほしいことがあります。

「早く始めた方がいい」という話をしているように聞こえるかもしれませんが、僕が伝えたいのは少し違うことです。

「始める速さ」より、「続ける仕組み」の方が大事、という話です。

AIを使い始めたのに「なんか結局使わなくなった」という話も、よく聞きます。最初の数週間は使ったが、忙しくなったら後回しになった。そういう経験をした方も多いと思います。

5年後に差になっているのは、「誰が一番早くAIを使い始めたか」ではなく、「日常の仕事の中に、自然にAIが組み込まれているかどうか」だと思っています。

自然に組み込まれるためには、「使い続けられる仕組み」が必要です。難しいものではなく、シンプルなもの。忙しい日でも「このやり方で頼めばいい」とわかっているもの。

その仕組みを作るのが、最初の一歩の本当の意味だと思っています。


5年後の話をしながら、気づいたことがあります。

こういう話をしていると、なぜか自分の仕事の本質みたいなことを考えたくなる。

「5年後、僕は何をしていたいのか」「何のために仕事をしているのか」

AIが何かを効率化してくれたとして、その空いた時間に何をするか。それが結局、一番大事なことなのかもしれない。

その話を、次の第5話(最終話)で書こうと思います。

あなたの会社に、じわじわと豊かな時間が増えていきますように。


AIの使い方について、もう少し具体的に知りたい方には、『AIへのアイが足りない。』をお読みいただければ嬉しいです。Amazonで検索してみてください。ここに書いたような「うちはどこから始めればいいか」を、経営者の目線で一緒に整理できる本として書きました。


細見 勇人 / 兵庫県丹波篠山市にて

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この記事を書いた人

SATORY / SATORY's CAFE オーナー。株式会社サロンテリア大林 代表取締役。1980年丹波篠山市生まれ。19歳から人力車で身につけた「聞く力」を軸に、創業50年のインテリア事業、アウトドアショップ、AIを活用したスープカレー開発、15年間で10,000人以上へのキャリア教育を展開。コーヒーは100軒以上の店を巡った「趣味コーヒー」派。

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